生産緑地指定当時の背景
1986年12月から起きたバブル景気による地価高騰を受けて市街化農地「宅地化すもの」と「保全するもの」に区別する過程の中で制度化された。「保全する農地」は生産緑地としての開発や建築などの行為の制限を課す代わりに固定資産税と都市計画税の優遇措置を適用。行為の制限は農業従事者が死亡又は一定の故障の状態にならない限り30年を経過するまでできないという厳しい条件を定めており、売れない・貸せない・建てられないという法規制がなされている。


特定生産緑地制度の創出
生産緑地の指定から30年経過後も引続き都市農地保全を図るため2017年に改正、創出された。
指定から30年が経過する生産緑地は所有者の同意を得て特定生産緑地の指定を受けることが出来る特定生産緑地の指定後、買取申し出が出来る期間が10年延長された。制度開始の1992年指定の生産緑地を有する自治体への調査では特定生産緑地に指定済み及び今後指定が見込まれる生産緑地は全体の約80%にものぼるとされている。

では、生産緑地の指定延長申請しなかった20%のうちどれだけが売却にでるのか?
生産緑地が土地価格に与える影響は?
生産緑地は全国で約12300haほどあるとされているが国が取り組んできた生産緑地への政策によって大量の宅地が一斉に市場に放出され急速な地価暴落することは無いであろうと推測する。しかし特定生産緑地制度創出により10年、20年先に先送り出来るようになったとはいえ農業人口の約6割が65歳以上であり35歳未満が5%にもみたいない現状は今後も変わらない様子だ、緑地制度を先送りしなかった所有者が売却したとしたら約25%〜30%近い土地売却による取得税を払うことにもなるので資産の目減りは歴然なので、先送りしなかった土地所有者の大半は売却するとも思えない、むしろ2025年には団塊の世代が後期高齢世代に突入するため相続で土地が市場に放出される可能性のほうが高いと推測される。
